
前回は実体験を聞いてイメージがかなりできたけど、入院はお金もかかるよね?あと、自分がしたいと思ったらできるものなの?
入院には任意入院とか措置入院、緊急入院等があるんだよ。自分が入院したくても、必ず入院できるわけではないの。病室の空き具合とかにもよったりするし。今日はその辺のことを書いてみるね。

目次(押すとジャンプします)
入院施設
病院選びの方でも書きましたが、まず入院できるのは、入院施設がある病院になります。
大半は精神科になると思います。
そして前回書いたように、一般病棟(開放病棟)や閉鎖病棟等があります。
開放病棟
精神科病院において、病棟の出入り口が1日8時間以上施錠されない状態となり、入院患者や面会者が自由に出入りできる構造を有する病棟のことです。
一般的な病棟と思っていただければとおもいます。
閉鎖病棟
精神科病院で、病棟の出入り口が常時施錠され、病院職員に解錠を依頼しない限り、入院患者や面会者が自由に出入りできないという構造を有する病棟のことです。
摂食障害で閉鎖病棟に入院するのは珍しいと思います。
どちらかと言えば、摂食障害と併用して起きてしまった精神疾患の症状悪化で入院する場合が多いと思います。
イメージはあまりよくないと思いますが、他害、自害、迷惑行為等が度の超えてしまった患者さんが医師の指示の元使用します。本人と周りの人達を守るためですし、実際暗くて、暴れたり大声を出したりする人ばかりではなく、意外と明るく、患者さん同士は支え合っているイメージでした。
※私の経験は、前回ブログに書いてあります。
入院費用

部屋の種類や病院にもよりますが、だいたい入院治療でかかる目安は一日3000~4000円くらいが平均だと思います。
なので1ヶ月は9万~12万円かかってきます。
また別で診察代、検査代、お薬代、なにか必要なものがあれば都度自分で購入したりプラスでかかってきます。
保険に加入している場合、適応となり保険金が支払われる場合もあるそうです。直接聞いてみてください。
ちなみに、一般的には精神疾患を発症すると、通常の医療保険や死亡保険(終身保険や定期保険など)への加入は困難になるそうです。
病気そのものが悪化して入院にいたるケースがあるうえ、不眠症や生活習慣病などを発症するリスクが、健康な人よりも高くなるためです。より重症化すれば、自らを傷つけたり、最悪の場合には命を絶ってしまったりする可能性も否定できません。
しかし、保険加入が絶対に無理ではないです。
精神疾患で通院・服薬中でも加入できる可能性がある保険があります(引受基準緩和型)
入院基準
拒食症の場合
- 身体的にかなり衰弱
- BMI14以下
- 標準体重の65%以下
- 身長に関わらず30kg以下
- 最近、低血糖発作を起こした
- 歩行障害
- 重度の低血圧
- 重度の徐脈:50/分以下
- 重篤な合併症がある
過食、過食嘔吐の場合
- 下剤を乱用や嘔吐によって身体に異常が見られる場合
- 長期に渡って発症してていて、症状を繰り返すことで生じる精神的ストレスで、日常生活に支障が来してしまっている場合
- 検査の結果で体に深刻な異常がある場合
- 精神的に不安要素があり、患者またはその周りの人間を傷つけてしまう場合
基本的には身体の状態が危険と診断された時と、精神的な状態が危険と診断された場合になります。
入院・種類(形態)
任意入院
入院する本人が入院を主治医に許可する入院形態です。
患者さん本人が入院治療を望んだり、医療者からの提案を受けて入院します。
病院と入院治療契約をかわすのは患者さん本人になります。
これが一般的で、普通の入院形態です。
なので、患者さんは自分がどのような症状・問題で入院するのかということをしっかりと理解していて、そのためにどのような治療を求めてきたのかということをしっかりと表明できるような病状になくてはなりません。
逆に言うと、これらのことがしっかり理解できないような患者さんを、適当にまるめこんで納得させて同意書にサインだけさせて入院を成立させることはできません。
任意入院で患者が入院してくるためには、医師による診察を受けて入院が必要だということになり、告知がなされ、患者さん本人による書面での同意が得られるという一連の手続きが必要です。
なので任意入院は、患者さん自らの意思による入院するので、原則、退院の申出があったときには、退院させなければならないことになっています。
措置入院
患者さん本人に対して行政が命令して入院させるものです。
これは「入院させなければ、自傷他害のおそれがある」つまり自分自身を傷つけたり、他人を傷つけたり、何らかの迷惑・犯罪行為をする可能性が高い場合に、行政が患者さんに命令して、行政措置として入院を強制するものです。
病院と入院契約を交わすのは、患者さん本人でも家族でもなく、行政です。これは強制的な命令であって、患者さん本人の意志も、家族の意志も、関係ありません。
【入院条件】
- 警察官などからの通報、届出等があること
- 精神保健指定医2名以上の診察により、「自傷他害のおそれがある」と認められること(診察が一致すること)
上記のことが満たされないと、措置入院となりません。
条件はかなり厳しいので、実際上は何らかの犯罪行為、違法行為を犯して警察ざたになった場合が多いです。
任意入院とは違い、措置入院は、患者さんの同意は必要ありません。
医療保護入院
指定医の診察と家族等の同意に基づいて本人の意思によらず精神科病院へ強制的に入院させる制度です。
【入院条件】
- 精神保健指定医の診察により、入院の必要があると認められること
- その患者さんの※家族等(配偶者、親権者、扶養義務者、後見人又は保佐人)のうち、いずれかの同意があること
※患者さんの家族等において、該当者がいない、またはその意思を表示することができない場合は、市町村長の同意でもOK
本人の同意なしで入院させれますが、それはご本人や周りを傷つける可能性があったり、本人に病識がない場合(自分が病気だと受け入れていないため、服薬をしない、通院しない、結果病気が悪化する等)本人は入院を拒否しても、周囲から見ると明らかに入院をした方がいいと考えられる場合、こういったご本人や周りの方を守るために医療保護入院という制度があります。
退院は、医療機関が医療保護入院の必要がないと判断すれば退院させることができます。
応急入院
緊急に入院治療が必要な状態で、家族等の同意を得ることができない場合に、本人の同意がなくても、精神保健指定医の診察により72時間に限り応急指定病院に入院させるというものです。特定医師の場合は、12時間以内。
【入院条件】
- 精神保健指定医の診察により、入院の必要があると認められること
- 急を要し、家族等の同意を得ることができない
単身者や昏迷状態にあって身元不明であるなど、入院にあたり本人の同意が得られず、家族等とも連絡がつかない場合が応急入院になります。
自傷他害のおそれはないけれど、昏迷状態、恐慌状態、興奮状態、意識障害等の状態にあるため、ただちに入院させなければ患者さん本人の予後に著しく悪影響を及ぼすおそれがあると判断される場合に限られています。(自傷他害があるばあいは、措置入院。家族の同意がある場合は、医療保護入院。上記参照。)
ちなみに72時間を超えると、違い形態に変える必要がます。
入院期間
摂食障害の入院期間は経過や目的によって異なりますが、重い合併症を引き起こしている場合は長引くこともあります。
前回の記事でも書いたように、私は1番長い所では2年程入院しています。
上記の入院した種類にもよります。閉鎖病棟に入院した時以外は、毎回任意入院だった為、退院も先生や親に泣きついて、入院してもすぐ退院することが多かったです。
深刻な栄養失調という状態になっていなければ、通常は1~2ヶ月と言われていて、食事の改善等を目的として入院した場合は2週間ほどと言われています。(あくまでも目安です。)
摂食障害 入院治療の難しさ

本人の問題 入院したい・したくない
入院治療を本人やご家族が強く望む場合もあります。
私の場合、日々自分の強迫的な食事制限や行動制限に疲れ、苦しくなったり、食べても嘔吐してしまう自分に疲れ、自己嫌悪に陥ったりして、自分から入院を希望したことが何度もあります。
また、自傷他害があった時は、両親が先生にお願いしたり、意識を失って運ばれ閉鎖病棟に応急入院からの医療保護入院となりました。
任意入院の場合、病院側としても、ご本人やご家族の要望は、考慮してくれると思いますが、入院が必要と考えられるレベルでない場合、希望に沿えないこともあります。
即入院したい!!と言うことが私も多かったですが、じゃあ翌日にどうぞというのは、難しい場合が多いです。(緊急でない場合)
入院したい!もう出たい!を繰り返して、全く治療が進まず、うちではもう面倒見切れませんと転院したこともあります。
摂食障害という病気の問題
摂食障害の治療は、薬物療法よりも精神療法が中心になります。
例えばうつ病や双極性障害、統合失調症などの摂食障害以外の精神疾患の場合、薬を中心とした治療を行っていきます。
これらの病気では効果がある薬も多く、入院治療をすれば何かあればすぐに対応ができるので、思いきった使い方をすることができるメリットがあります。
また入院環境にあわせて生活することで、強制的に規則正しい生活リズムに整えられます。
それだけでも、症状が良くなっていくことが期待できたりします。
日常生活のストレスから解放されることで良くなったりもします。
しかし摂食障害は、現段階で効果を実証されている薬はありません。
拒食や過食にともなって出てくる不安や焦燥、抑うつ状態などに対して、対処療法的にお薬が使われる程度です。
摂食障害の治療の基本は患者さん自身の心理的な成長を促すことにあり、ある程度時間をかけなければ治療の効果や方向性は見えてきません。
そのため、入院しても一時的な回復になってしまったり、退院後いかに継続して治療できるかで、すぐ元に戻ってしまうことが多いです。
ただ、命に関わる場合は、まずは身体のケアをしなければいけません。
入院するメリット
入院することのメリット
- 身体のケア
- 精神的ストレスからの解放
- 休養
- 食生活の改善
- 生活リズムの改善
- 家族や周りの人と距離をとる
私の場合、親と距離を置くこと、食事に対しての歪んだ考えを修正するには入院は良かった。
朝からこんなに食べてもいいの!!?ってビックリしたし、なにより米の量が多くて驚いた。

6枚切りのパン2枚は当たり前

昼は結構お楽しみメニューが多かった

昼のメニューによって変化が大きい夕食(笑)
とにかく毎食の主食が多いのが毎度驚いた。
注:写真はイメージです!!
まとめ
摂食障害の治療は、病院や医師に治してもらおうという姿勢ではなかなか良くなりません。
入院治療をする場合、その入院の中で自分が目標とすることは何か、日常の回復に生かせることが何か、最初にしっかりと医師や周囲と話し合うといいかなと思います。
摂食障害カウンセリング
何十年も戦ってきた摂食障害を、こうしてブログを通して伝えて、共感し、理解し、回復へ進めたらと思っています。
なかなか話せない、わかってくれる人がいない。当事者の方、親御様、周りの方々は本当に辛いと思います。
少しでも私がお役に立てればと思っております。
話を聞いてもらうだけでも、だいぶ違いますし、ご自身の気持ちも整理されます。
カウンセリング興味ある方がいらっしゃいましたら、コメントいただければと思います。
質問や、この時どうだったか等、疑問質問でも構いません。またこういうことを書いてほしいなどありましたら是非。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
